雨
雨が降っている
叫ぶほどに 強く願うほどに
なにか、透明な壁があるみたいな
自分の呼吸と鼓動だけがやけに大きく聞こえて
空がぐるぐる回った
だれにも見えてないみたいで
宇宙のすみっこにいるみたいで
少女は逃げるように、イヤホンをつけた
走っても縮まらないから
なくならない すきま
走ったぶんすり減って
広がっていく 傷は
大音量の音楽で埋めた
G、 Bm、C、 D
明るいコード進行を鳴らして
雨の音をかき消す
最近のプレイリストをみて思う
どうしてこうなってしまった?
「青春時代が終われば私たち、生きている意味がないわ」
そんなことない
そう自分で訂正しないといけなくなったのはいつからだろうか
雨が降っている
イヤホンをつけていても聴こえる
目を閉じる